素人は知らない不動産仲介の『からくり』~独立後、3期目を終えて~

ぽっと出の僕もおかげさまで3期目を無事終えることが出来た。

1期より2期、2期より3期と順調に売上が伸び、さていよいよ大きく出るか!

と思った矢先のコロナショック。自粛。

ただ、今までの3年間、旅行中も仕事し、子供の学校行事中もメールを打ち、夢の中で価格交渉したりと、実質1日も気が休んだ日が無かった為、少しゆっくり出来てちょうど良かったと今はプラスに考えている。コロナが無ければ、近い将来過労死していたかもしれない…

ここで一つ、3年間の振り返り。
以下はインターネット及び不動産業者専用サイト(以下、レインズ)に全公開のうえ販売活動し、かつ築浅区分マンション1室のような「不動産屋にとって割とイージー」な取引の場合。
※権利関係調整が複雑な案件や、高額案件はこんなに簡単にはいかない。

不動産の「売り」は、3%+6万円+消費税の正規手数料を払わなくても、基幹となるサービスは大手と同じものを受けることが出来る。

その理由は以下の通り。

弊社が30万円(税抜)の手数料で売主様から専任媒介を受けたとする。

弊社は専任媒介契約の規定に基づき、受託日から1週間以内に販売図面を作成の上、レインズに公開する。そうすると、数多の不動産屋が弊社の売り情報をキャッチし、自分の買い顧客に物件紹介することが出来るようになる。

また合わせて、撮影した室内写真や作成した間取図をSUUMO、HOMES、athome等のポータルサイトに載せる。そうすると、買いエンドユーザーに対しても売り情報を直接発信することが出来る。

ちなみに弊社の場合、長期間粘って両手取引を目指すよりも、好条件かつ短期間での成約を目指しているので、囲い込みはしない。

なので、他社から依頼があれば、特に大手の自社ホームページサイト(ノムコム等)には率先して広告掲載をお願いしている。図だとこんな感じ↓

このような図式で販売活動をしていると、大手から内見希望が入ることが比較的多い。

そして、大手が連れてきたお客様が物件を気に入り、大手から買付が入ったとする。

大手は、ほぼ必ず契約前に自社客の住宅ローン事前審査をかける(ローン特約による白紙解除を極力回避する為)。

そして、晴れて契約に。

 

さて、契約書は誰が作るのか?業界の慣習では、「売り側」が作ることが一般的である。

しかし、このような場合、ほぼ100%、僕のこの3年間では100%、大手が作ってくれる(ありがとうございます)。

その理由は、「あの文言が抜けている、あの特約(大体定型文)が入っていない」等、社内の書類精査が単に面倒だからである。僕も大手にいたので痛感。

だから大手は、大手が使う書式と異なるものを使うことを極端に嫌う。書式の違いで肝心な内容が大きく変わるわけではないのだが。

それならいっそのこと、自分達(大手)で作ってしまったほうが早い、というオチなのである。

※ちなみに、使う文言や特約が違うのは、加盟する不動産業者団体が違うため、弊社のような中小企業が使う契約書書式と、大手が使う契約書書式が違うから。

 

そしていよいよ、契約の日。

場所は大手の契約室をお借りすることが多い。

僕の隣に売主様、テーブルの向こう側に大手の担当者と買主様が座る。

大手が作った契約書を読み上げた後、同じ書類に売主買主双方が署名捺印する。2通作成し、1通ずつ原本を保有することが一般的。

 

…勘の良い人はもう気づいたかもしれない。

例えば売価が5,000万円近くの場合、税込で考えるとほぼ確実に、100万円以上大手のほうが弊社に比べて手数料が高い。
弊社が売り仲介で
大手が買主を見つけてくれた場合、
大手が契約書を作り
売主買主が同じ場所(大手の契約室)で
全く同じ書類に署名捺印するのに、
テーブルのこちら側と向こう側で
手数料が100万円以上違うのだ。
僕が言うのも変だが、毎回なんとも言えない気持ちになる。
勿論これは合法で、何の違反もしていない。売主様は総じてハッピー。
手前味噌で恐縮だが、この流れが出来る要因は、とかく強欲揃いの業界にもかかわらず、「僕(売り仲介)が強欲でない」からだと我ながら思う(笑)
欲深く、必ず売りからも買いからも手数料を取ってやる、だから他社には紹介させない!というスタンスでは、絶対に成り立たない。
あともうちょっと手前味噌。
元々大手にいたため、大手が使う書式を嫌というほど自分も使っていたがゆえに、弊社の書式でなく大手の書式を使っても、自分の顧客にとって不利な内容になっていないかどうか、すぐ判別がつく。
※仮に中小企業の地場業者が買主を連れてきてくれた場合でも、大手並みの細かい内容が入った契約書を弊社の書式を使って自分で作ることも出来る。
そして何よりの秘訣が、一番最初の販売図面作成とレインズ登録をしっかりやれているからだと思う。これが出来ていないと、そもそも大手からも問い合わせが来ないので…
色々書いたが、大手と喧嘩をするのではなく、共存共栄のシステムを作れたら一番良いなと思う。
売主は最低限の出費で大手と同じサービスを受けられ、かつ多くの不動産業者が協力して市場の中から最適な買主を見つけてきてくれる。それが決め手となって、自分の資産を手放してみようかなと決意し、市場に売り物件が増える。
買主は大手に依頼し、市場に出ている売り物件情報を何十件も紹介・社用車で物件案内してもらい、住宅ローンの事前審査手続きも代行してもらい、最終的に気に入った物件を買うことが出来る。その対価として3%の手数料を払うのであれば納得いくのではなかろうか?
以上、3期目のまとめ。
おわり
>不動産の仲介手数料が定額30万円

不動産の仲介手数料が定額30万円

もしかしたら、従来から存在する不動産業界の商習慣を少し変えれば、より多くの人の役に立てるかもしれない。 そう思い、不動産を高く売れて・安く買えて、経費が安く済み、大手と変わらない高品質なサービスで安心して取引を任せられる「理想の不動産仲介」を世の中に生み出す為に、私は勤めていた大手企業を飛び出しました。 そして、自分自身が、お客様の役に立ち信頼できる不動産実務家になろうと考え、このサービスを立ち上げました。

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