夢のマンション暮らしと言われているマンションの購入ですが、いざ購入して住んでみたら予想と違って後悔してしまう場合があります。
人生の中で「住宅の購入」はもっとも高額なお買い物です。大金を払って後悔するようなマンションを選んでしまわないようにこの記事ではマンションを購入する流れから、マンション選びに失敗した事例、後悔しないためのポイントを解説いたします。
ぜひマンション選びの際は参考にしてください。
理想のライフスタイルの確認
まず自分や家族が希望している理想の暮らしを考えてみましょう。理想の暮らしかたはひとそれぞれ違います。
都会で便利な生活を送りたいのか、また都会とは離れた郊外で自然に囲まれた中で暮らしたいのか、いろいろな理想の暮らしのかたちがあります。
理想のくらしについて考える際には今の理想だけでなく、将来のことまで考えておくといいでしょう。 住まいは一生ものの付き合いになるので、家族構成は今後どのように変わるか、また家族はどんな暮らしを求めているか、通勤や通学時間はどれぐらいが理想かなどの点を洗い出します。
理想の暮らしが固まってきたら、どのようなマンションであれば理想の暮らしに近づけられるか考えましょう。 間取りや、広さ、設備、立地などを踏まえて家族と共有し理想の暮らしに近いマンションの条件を明確にします。
資金計画を立てる
マンションの購入には住宅ローンを利用することが多く、ローンの返済には時間がかかります。
そのため支払いについては慎重に考えておくことが重要です。 はじめに毎月の返済額から決めましょう。
毎月払う返済額から逆算することで、購入できるマンションの価格が計算できます。
そして、マンションの購入費用だけでなく、引っ越し費用や家電購入費用も計算し予算に入れます。 次にマンションを所有していると毎月管理費、修繕積立費がかかります。また不動産を所有しているので固定資産税もかかるようになるので予算の中に入れます。
マンションを選ぶ
購入するマンションの候補となる情報を集めます。 情報の集め方には3つあります。
マンションを売買している不動産会社から情報をもらう
新築でも中古でも不動産会社から情報をもらうことができます。またチラシなどに掲載されていない不動産情報を得ることができます。
新聞やチラシから探す
チラシや新聞に載っている物件であれば、実際に物件情報の書いてある紙を並べることで条件を比較しやすいというメリットがあります。
またポストに投函されるため今住んでいる近くの地域のマンションの情報について得られることが多くなります。
インターネットの物件から検索する
インターネットでは多くの物件を探すことができます。今ではスマホで検索できるようになっており、いつでも好きな時間にマンションさがしをすることができます。
また住みたい地域や利用したい路線、間取りから選んで検索できるため効率よく探すことができます。
また理想のライフスタイルとマンション購入の予算が決まったらいよいよ購入したいマンションのモデルルームに行きましょう。
モデルルームに行く際にはチェックするポイントがいくつかあります。
周辺の環境
- お買い物の便利さ
- バス、電車など交通機関
部屋の中
- 部屋の広さ
- 間取り
- 収納
- 風通し
マンションの設備
- キッチン、お風呂、トイレなどの水回り
- インターネット
- 電源
- オプション
マンションごとに条件が様々になるので、チェックポイントについて確認をしながらメモをして記録するとあとで比較するときに便利です。
モデルルームに行って情報などを集められたら、自分の理想に近いマンションに絞り込んでいきます。
一緒に住んでいる家族がいるならば相談をしながら絞り込んでいきましょう。絞り込むマンションに迷ってしまったら、理想のマンション暮らしの条件を思い出してどれを優先させるかで絞ります。
物件が決まれば住宅ローンを借りるための審査を受ける必要があります。 審査には2段階あり、「事前審査」を行ったあとに「本審査」をします。
住宅ローンの審査に考慮される項目は、年齢、収入、担保価値、職業などが主な審査の項目となります。 本審査が通ればマイホーム購入のための資金が準備できるので契約へと移ります。
契約をする
マンションが絞り込めて、購入するマンションが決まればいよいよ契約へと移ります。 契約は重要事項説明からはじまり、物件とその売買契約について説明をされます。
説明をされる際には重要事項が記載された説明書を渡されますので、わからない点などは確認をしましょう。
重要事項説明が終われば売買契約の締結へと入ります。 購入する際には売買契約という契約を結びます。契約内容について理解、納得ができれば同意しましょう。 売買契約が結んだ後には「手付金」が必要になります。
いわゆる頭金といわれる項目になり、買う意思がはっきりしていますという証明のためのお金となります。
売買契約がおわり購入ができれば入居説明を受けて、鍵を受け取れば、入居することができます。
後悔しないためのポイント、マンション購入で失敗した事例
騒音問題
マンション購入で失敗した事例で多いのは、騒音問題です。 近くのお店からや通りから外部騒音と上の階や両隣の部屋からの内部騒音があり、その中でも生活音によるトラブルは多々あります。
上の階のお子さんが走り回る音や、周囲のお部屋のペットの鳴き声などがあります。
部屋選びを間違えた
部屋の選択を間違えたというかたは多く、マンションの建物内の部屋でも位置によって違いがあります。 特に後悔するケースは、日当たりや部屋の階数です。
日当たりが良すぎると部屋の中がとても高温になり、夏場ではエアコンをかなり強くしない効かないという問題や、かえって日当たりが悪く洗濯物が乾かず生臭いという問題が発生します。
またマンションの低層階で発生する失敗例はアリやクモなどの虫が部屋の中によく入ってきたり、飲食店に近い部屋を選んでしまうとニオイが洗濯物に移るという問題もあります。
立地や周辺環境
周辺環境での失敗は住むまで分からない問題でもありますが、住んだ後に目の前にマンションが建って、日当たりや眺望が悪くなったという問題があります。
また立地の面では大通りなどの広い道路に面している部屋を購入してしまった人は大気汚染やほこりなどに悩まされる人もいます。
また将来性を考慮せず購入したマンションでは子育て環境が整っていない地域で不便な思いをするといった問題もあります。
金銭的負担による後悔
マンションのローンの返済に追われている日々に修繕費の値上げをされて、生活が圧迫されるという問題があります。 またローンの返済にボーナスをあてにして多く見積もったがために支払う金額が大きくなることもあります。
隣人トラブル
後悔するパターンの中では比較的少ない問題ですが近隣の住民の問題があります。 マンションは選べても住む住民は選ぶことはできません。
悩まされる原因で多いのが普通では考えられないレベルのクレーマーがいることがあり、 またマンション内格差の問題もあります。
マンション内格差では大規模なマンションで起こりやすく、上の階になるにつれて価格が上がるマンションでは、マンションの中で収入の格差が生じ、生活レベルの違いが出てきます。
騒音問題で失敗しないための対策
マンション内の騒音対策で意識をしておきたいことは、隣の部屋との壁や床の「スラブの厚さ」です。 生活音を遮るには相応の厚みの壁が必要で、特にタワーマンションでは構造上コンクリートが使用できず、壁の厚さに制限があります。防音のことを考えるのであれば壁は200mm以上、床は200~300mm以上の厚さが必要になります。
また部屋の間取りによっても騒音の問題は起こります。別の部屋の水回りが寝室と隣り合っていないか確認をしましょう。 そして外部騒音の対策では2重窓が採用されていれば、ほとんど気にならなくなると言われています。
部屋選びを間違えないための対策
住んでから不満のあがる日当たりは季節によって変わるので事前に調べることがポイントです。 天気の良い日中だけでなく、雨の日や梅雨などの湿気のある季節に物件を調べるのが有効です。
立地や周辺環境を失敗しないための対策
周りに建物が建つことが原因の眺望の悪化は、事前にマンションの近くにどんな建物が建つ計画があるかを知ることが重要です。
また子育てをする世帯では周りに公園や図書館、スーパーがあると便利なのに対し、シニア世代では病院が近くにあると安心するという傾向があります。 近所の施設はあらかじめ念入りに確認をしましょう。
子育てをしている世帯では子どもの通学路を実際に歩いてみることがおすすめで、ガードレールがない危険な道では遠回りをするケースがあります。 またお子さんを保育園に入れたい場合には近くの保育園の空き状況を必ず確認しましょう。
購入したマンションに住んでから保育園を探しても見つからず、どこも待機児童を抱えているときには最悪マンションの売却を考えなければなりません、 かならず確認しましょう。
金銭的負担による後悔をしないための対策
毎月のローンの支払いに目が行ってしまいがちですが、修繕積立金や管理費にも目を向けましょう。また購入前には長期修繕計画の確認をしましょう。
また駐車場の利用があるならば駐車代も予算に組み込んで計算し、駐車場の維持費は機械式の場合ならばメンテナンス費用は自走式に比べ高額になります。
その上駐車場の空きが多くなるとその分を管理費、修繕費で補填をしなければ鳴らなくなるので、現状の車の空き状況を確認する必要があります。
維持費については頭数の多さから大型のマンションのほうが安いと言われています。しかし以上に維持費が安すすぎる場合も良くないので、共有の施設やサービスなどを確認して、適正な価格か判断をしましょう。
隣人トラブルで失敗しないための対策
マンションを購入する前に住民の雰囲気を確認することが大切です。 住民の年齢層や生活感は自分たちと合っているかを確認することが重要になります。
また上下階や両隣の家族構成や年齢層も確認したほうがいいでしょう。 そのためには信頼のできる営業担当者を選び、付き合っていくことをおすすめします。
マンションで住むメリット
共用部の清掃、管理は管理会社がしてくれる
マンションでは自分の部屋から外は共用部分で、共用部分は自分が掃除をする必要が無いのはマンションのメリットです。
エントランスや共用廊下などは管理会社が掃除をしてくれるので、掃除のわずらわしさは一戸建てに比べ軽くなります。 また最近は24時間いつでもゴミ出しができるマンションもあり、時間を選ばずゴミをだせるのも大きなメリットです。
セキュリティ面での安心感がある
エントランスがオートロックになっていれば、不審者の侵入をある程度防ぐことができます。防犯上のメリットもあり、また管理員や居住者の目があるので犯罪を未然に防ぐことができます。
高齢者でも暮らしやすい
マンションの部屋では基本的にワンフロアで室内に階段がないため一戸建てに比べて室内の移動が楽に感じるかたが多くいます。
居住者同士でコミュニティを作りやすい
新築のマンションでは子育て世代が多く住んでおり、同世代の居住者が多くコミュニティの形成がしやすい点はメリットになります。 お子さんを介して交流することが活発になり、周りに子育て世帯が少なく孤立するという可能性は低くなります。
マンションに住むデメリット
隣り合った部屋とトラブルに発展するケースがある
主に中古マンションでのトラブルですが、隣り合っている部屋との騒音がトラブルに発展する場合があります。
新築のマンションでは騒音に配慮した設計になっており、トラブルになるケースは少なくなっています。 しかし、騒音に配慮してあっても夜遅くに大きな音を立てないようにするなどの配慮はする必要があります。
管理費や修繕積立金を毎月払わなければならない
マンションでは固定資産税に加えて、管理費、修繕積立金を払わなければなりません。
金額はマンションによって異なりますが、月額2万円前後かかるのが一般的な金額です。 さらに修繕積立金がしっかりと積み立てられていないマンションでは大規模修繕するときの費用がしっかりと積み立てられておらず、修繕積立金が値上げされるケースがあります。
駐車場を借りるのにお金がかかる
一戸建てとは異なり、駐車場を利用するのにお金をかかるのが普通です。自走式駐車場ならば維持管理費用は比較的安価ですが、機械式駐車場の場合は維持管理費用が高額になる場合があります。
マンションについていると便利な設備
24時間ゴミ出し可能
時間や曜日を問わず24時間ゴミ出しを出せる設備です。 出されたゴミによって管理員が収集日に外に出してくれる仕組みとなっており、多くの新築マンションでは採用されています。
いつでもゴミ出しができるので多忙な人にとっておすすめで、収集日の朝まで室内にゴミをためなくてよいのがメリットです。 またゴミを出し忘れるということなく、さらに室内に置いておく必要がない点も便利です。
宅配ボックス
マンションの共用エントランスなどに設置してあり、不在時に預かってくれるロッカーのことです。 好きな時間にいつでも受け取ることができるので、到着する予定時間に待つ必要がなく、再配達の連絡をする手間もかかりません。
中には宅配便の発送やクリーニングの受け取りができるマンションもあります。
カメラ付きインターホン
共用エントランスや玄関のインターホンにカメラがついており、訪ねてきた人をモニターで確認できます。 セールスに対応したくない場合やお子さんに留守番を任せるときも安心です。
最近はカメラの性能が上がっており、かなり鮮明な映像で録画ができるので犯罪抑止の効果も期待できます。
ウォークインクローゼット
ウォークインクローゼットなどの大型収納は洋服以外にもスーツケースや普段は使わない家電、かさばるものを収納できます。片付けが苦手な人でもお部屋をスッキリと片付けやすくなります。
見た目にもリビングや寝室を整頓してきれいに保て、またタンスや収納する家具を置く必要がありません。
ビルトイン食器洗浄乾燥機
面倒な食器洗いから解放される人気の設備です。 マンションではシステムキッチンに組み込まれており、別で買うよりも場所を取らず、見た目がスッキリしています。最近では洗浄力や、節水、省エネ、さらに食器が入れやすく工夫されています。
ディスポーザー
シンク内の排水溝の装置に生ゴミを入れ、水を流しながら電源を入れると、すぐに粉砕をしてくれる設備です。 生ゴミのニオイで悩まされることがなくなり、ゴミ捨ての心配もないと人気の設備です。
IHクッキングヒーター
火を使わないので、高齢者やお子さんがいる家庭には安心の設備です。 またIHクッキングヒーターはガスコンロに比べて、調理面がフラットな作りになっており掃除がしやすいのがメリットになります。
毎日のお手入れが楽な上に、見た目もスッキリとしていておしゃれなのも人気の理由となっています。
床暖房
床下に発熱体を敷くことで、足下から部屋全体を暖めてくれます。 電気式とガス温水式があり、エアコンやファンヒーターよりも空気が乾燥しにくく、ほこりが舞い上がりにくいです。
購入する費用の内訳
マンション購入の際の費用は物件価格だけではなく、いろいろなお金がかかります。
住宅ローンの頭金(手付金)
住宅ローンの頭金とは、マンション購入費用のうちの自己負担で支払うお金になります。 頭金が多いほど住宅ローンで借りる金額が少なくなり、毎月の負担を減らすことができます。
頭金には物件価格の2割程度必要だと言われていますが、実際には頭金は交渉することができます。 住宅ローンの手付金に貯金の大半を使ってしまうとその後にケガや病気で働けなくなったときに生活資金が不足して、泣く泣くマンションを手放さないといけなくなります。
なので毎月のローンの負担とその後の生活の資金も考えて、最初に支払う手付金を決めましょう。
住宅ローンの諸費用
事務手数料
住宅ローンを借り入れる金融機関に支払う事務手数料となります。 事務手数料には2つの種類があり、定率型と定額型があります。
定率型は借り入れるローンの2.2%程を手数料として払う方式で、一方定額型は借入額にかかわらず、数万円~数十万円の金融機関が定める金額を支払います。
保証料
保証料は住宅ローンの返済が滞ってしまったときに残った分を一度支払ってくれる保証会社に対する手数料です。
保証料には外枠方式と内枠方式の2種類があり、外枠方式でローンを借り入れるときにまとめて支払う方法です。 途中で繰り上げ返済し完済すると、残りの返済期間に応じた金額が返ってきます。内枠方式は住宅ローンの金利に0.2%前後上乗せして保証料を支払う方法です。 内枠方式では毎月のローンの返済に加えて保証料が増えるので、毎月の負担で圧迫される可能性があります。
金銭消費貸借契約の印紙税
住宅ローン借り入れの際には貸借契約を結び、契約書に収入印紙を添付して支払う税金が印紙税です。 印紙税は借入額によって変わり、1,000万超〜5,000万以下ならば、印紙税は2万円となります。
登記費用
マンションを購入すると、不動産登記をしなければなりません。 ローンを組んだのであれば抵当権設定登記も必要になります。
抵当権とは住宅ローンの返済が滞った場合に、金融機関が担保の物件を競売にかけられる権利です。 不動産登記の際には登録免許税もかかり、司法書士に依頼する場合には依頼料も必要になります。
仲介手数料
仲介手数料はマンション売買を仲介する不動産会社に支払う手数料です。
仲介手数料の金額は会社によって変わりますが、一般的な金額は物件価格✕3%+6万円+消費税になります。 ただし、新築マンションでは売主であるデベロッパーの子会社が販売を担当しているケースが多く、仲介手数料の発生は少ないです。
マンション取得による税金
マンション固定資産税と都市計画税
マンション取得による税金は固定資産税と都市計画税の二つがあります。 固定資産税は不動産を所有しているとかかる税金で、都市計画税は所有するマンションが市街化区域にある場合に支払う税金です。
売買契約書の印紙税
住宅ローンでマンションを購入する場合には売買契約書にも収入印紙を貼り、印紙税を納めなければなりません。 2022年3月31日までに作成された不動産譲渡に関する契約書に張る印紙税には軽減税率が適用されます。
例としては、売買契約された金額が1,000万超〜5,000万以下の場合、本来印紙税が2万のところが軽減税率が適用され1万円になります。
不動産取得税
不動産を購入したときに払う税金です。 土地と建物それぞれの不動産評価額に税率をかけたものが税額になります。
税率は3~4%です。 しかし、不動産取得税は条件を満たした上で、申告書を提出すると軽減措置が適用され税負担が減ります。
その他の費用
マンションを購入すると引越し費用がかかります。 引っ越し費用は荷物の量、移動距離、依頼する業者によって変わります。
また、お部屋のデザインによってこれまで使っていた家具や家電から買い換えることもあるでしょう。 そのため、マンションの購入金額には家具家電の購入費や引っ越し費用も含めて資金計画を立てましょう。
まとめ
マンション購入は非常に高額なお買い物になります。 すべてのことを慎重にすすめて、後悔することがないようにマンションを選んで購入しましょう。