マンションの売却を検討している方の中には、「どのような手順で売却が進むのかわからない」「初めてのマンション売却で不安」「どのようなことに注意すればいいの?」と疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事ではマンション売却の、一連の流れを解説します。
この記事を読んでいただければ、マンション売却の流れや、ステップに応じた注意点がわかるため、スムーズな売却活動ができるでしょう。マンション売却を成功させたい方はぜひ参考にしてください。
- マンション売却の全体像
- それぞれのステップでやるべきこと
- それぞれのステップでの注意点
マンション売却の全体像
はじめにマンション売却の全体像を見ていきましょう。マンション売却は下記のような流れで進みます。
- 売却の準備
- 査定依頼
- 媒介契約の締結
- 売却活動
- 売買契約
- 残代金の決済・引き渡し
- 確定申告
マンション売却は時期や事情によって販売方法は異なりますが、基本的な流れは変わりません。それでは各ステップ毎にどのようなことを行うのか、どのような注意点があるのかを解説します。
売却の準備
マンション売却の準備をするにあたり、やるべきことは3つです。
- 売却条件の整理
- 相場の勉強
- 必要書類の準備
それぞれ解説します。
売却条件の整理
マンションを売却する際には、自分のなかで売却条件を整理しましょう。売却条件を整理することで、何をしなければならないかが明確になります。
- なぜ売却するのか
- いつまでに売却したいのか
- いくらで売却したいのか
このようなことを整理することで、売却条件が固まります。不動産会社との打ち合わせをより有意義にするためにも、売却条件の目安は決めておきましょう。
相場の勉強
マンション売却にあたり、相場の勉強は必須です。相場を知らなければ金銭的に損をしてしまう危険性があります。
- 相場よりも高い価格で売却に出し、いつまでも売れない
- 相場よりも安い価格と知らずに売却し、損をしてしまう
このような不利益を被らないためにも、必ず相場の勉強をしましょう。
しかし、相場の勉強方法がわからないという方も多いでしょう。マンションの相場感は一朝一夕で身につくものではないため、毎日少しずつ情報収集をしながら学びましょう。
具体的には不動産ポータルサイトへ登録し、自宅の近隣で売却に出ているマンションを調べてみてください。似たような築年数や広さのマンションの価格を知ることで、相場感が身につきます。その他にもインターネットを使い下記の内容を調べてみましょう。
- 自宅マンション内の過去の取引事例
- 近隣マンションの過去の取引事例
マンションは戸建てと違い、同マンション内での事例があるため、相場もわかりやすいのが特徴です。
必要書類の準備
マンション売却をスムーズに進めるために書類を準備しましょう。マンション売却に必要な書類は下記の通りです。
- 本人確認書類(運転免許証等)
- 権利証(登記識別情報)
- マンションの管理規約
- 管理組合の総会資料
- 間取り図
- 購入時の売買契約書
本人確認書類や権利証は、不動産の所有者であることを確認するために必要です。マンションの管理規約は、不動産会社からマンションの管理会社へ問い合わせすることでも取得できますが、事前にあるとスムーズでしょう。
管理組合の総会資料は不動産会社では取得できないケースが多いです。今後の管理費や修繕積立金の改定予定などが話し合われている重要な資料のため、必ず準備しましょう。
間取り図も不動産会社で取得できますが、購入後にリフォームした場合などは準備しておくとスムーズです。購入時の売買契約書があることで購入金額がわかり、売却時の税金の目安をつけられます。税金について不動産会社に確認したい方は準備しておきましょう。
注意点
売却の準備は早めに行いましょう。不動産の売却は時間がかかります。販売期間は3〜6ヶ月程度と考えておくといいでしょう。
「いつまでに売らなければならない」という制限がある場合は、期限が近くなるにつれ価格も下げざるを得ません。少しでも良い条件で売却したい方は、時間に余裕を持って売却活動を行いましょう。

査定依頼
マンションを売却するためには価格を決めなければなりません。マンションの資産価値を把握するためにも不動産会社へ査定を依頼しましょう。査定の種類には大きく分けて2種類あります。
- 机上査定
- 訪問査定
それぞれ解説します。
机上査定
机上査定
机上査定とは査定対象の室内を確認せずに、同マンション内の事例や、近隣マンションの事例を参考に算出する方法です。
過去の事例をもとに算出するため売却の目安にはなりますが、不動産は個別性が重要なため実際の価格とは差が生じる場合もあるでしょう。
- 室内の状況
- 日当たり
- 方位……etc
このような項目が重要となるため、机上査定はあくまでも目安として考えましょう。
訪問査定
訪問査定
訪問査定とは、不動産会社が実際に室内を確認し算出する方法です。机上査定と比べ実際の室内状況がわかるため、より正確な査定を行えるのが特徴です。
さらに、不動産会社に室内を見てもらうことで、自分では把握していなかったマンションのメリットを見つけられるでしょう。
「室内が散らかっていると査定額に影響するのだろうか?」このように考える方も多いでしょう。
結論ですが、室内が散らかっていても査定額には影響しません。不動産会社による査定は、掃除をすることで改善できることなどは査定額に含まれないのです。
注意点
不動産会社に査定依頼する際には、必ず複数社に依頼しましょう。1社による査定では、その査定額が高いのか安いのかがわかりません。査定はマンションの相場価格を把握するために行うため、少なくとも3社に依頼するのがおすすめです。
しかし、多くの不動産会社とやり取りし続けるのは大変です。机上査定では複数の会社に依頼し、訪問査定時には信頼できそうな不動産会社をいくつか絞り依頼するのもいいでしょう。
媒介契約の締結
査定が完了した後のステップは、媒介契約の締結です。媒介契約とは、不動産会社に売却を依頼するための契約です。
「媒介契約でお金がかかるの?」
このような疑問を持つ方も多いでしょう。不動産の売却は成功報酬のため、売却が完了しなければ費用は発生しません。媒介契約を締結するまでの流れは下記の通りです。
- 依頼する不動産会社の選定
- 媒介の種類の決定
- 売却価格の決定
それぞれ解説します。
依頼する不動産会社の選定
媒介契約を締結する際には、売却を依頼する不動産会社を決める必要があります。売却を依頼する不動産会社によって、売却が成功するかどうかは異なります。
- 大手の不動産会社
- 地元の不動産会社
- 営業力の強い不動産会社
このように不動産会社にも特徴があるため、依頼する不動産会社を念入りに調べ依頼しましょう。
「不動産会社は1社に絞らなければいけないの?」
このような疑問を持つ方も多いでしょう。不動産会社は1社に絞る必要はありません。複数の不動産会社に依頼することも可能です。詳しくは、次の「媒介の種類の決定」で解説します。
媒介の種類の決定
媒介の種類は3つあります。
- 一般媒介
- 専任媒介
- 専属専任媒介
それぞれの特徴について見ていきましょう。
一般媒介
一般媒介とは、複数社に依頼できる媒介契約で、依頼できる数に制限はありません。
一般媒介のメリットは下記の通りです。
- 販売の間口を広げられる
- 不動産会社を競わせられる
依頼する会社を増やすことで、多くの購入検討者に情報を届けられます。
また、複数社に依頼することで、不動産会社を競わせることもできます。不動産会社は成功報酬であるため、売れないことには報酬を得られません。優良物件や高級物件は不動産会社も積極的に販売活動を行うため、一般媒介のメリットを存分に得られるでしょう。
一般媒介のデメリットは下記の通りです。
- 窓口が複数あるため管理が大変
- 不動産会社が販売に力を入れない場合もある
- 現代ではあまり効果的ではない
複数社に依頼することで、窓口が増えるため管理が大変になります。同じ日に異なる会社から内覧希望が入った場合、スケジュールの管理も大変でしょう。
また、一般媒介の場合、積極的な販売を行わない不動産会社もあります。販売活動ではインターネットへの掲載や、折込チラシなど費用がかかります。
しかし、一般媒介の場合は必ず報酬を得られるとは限りません。優良物件、高級物件でない場合は、一般媒介で複数社に依頼するのはデメリットになる場合もあります。自宅のマンションが需要の高いマンションかどうかを見極める必要があるでしょう。
一般媒介はインターネットが主流でなかった時代には効果的でした。
しかし、現代の販売活動の主流はインターネットです。インターネットは1社が物件を掲載していれば多くの人の目に止まります。不動産ポータルサイトを見たことがある方の中には、「なぜ同じ物件がたくさん掲載されているのだろう」と疑問に感じたことがあるのではないでしょうか。
同じ物件がたくさん掲載されているのは、売主が複数社に依頼しているためです。同じ物件がたくさん掲載されていると、見る人によっては売れ残っていると思われる場合もあります。インターネットが主流となっている現代では、必ずしも「たくさんの会社に依頼しているから売れやすい」とはならないのです。
専任媒介
専任媒介とは1社の不動産会社のみに依頼する媒介契約で、自己発見取引は可能となっています。
専任媒介のメリットは下記の通りです。
- 窓口が一本化され管理が楽
- 販売に力を入れてくれる
- 不動産会社のサービスを利用できる
- 自己発見取引ができる
専任媒介では不動産会社1社に依頼するため、販売の窓口が一本化され、管理に手間がかかりません。
また、専任媒介では一般媒介と異なり「売らなければならない使命感」が不動産会社にあるため、積極的な販売活動を行います。不動産会社は報酬を得られるかわからない一般媒介よりも、確実な報酬が見込める専任媒介を求めています。そのため、専任媒介で依頼してくれたお客様に対し、不動産会社独自のサービスを提供している会社もあります。
- 壁や床の補修
- 水まわりの清掃
- モデルルームのような家具の設置
このようなサービスを無料で利用できる会社もあるため、サービス面で依頼先を選ぶのもいいでしょう。専任媒介では1社のみにしか依頼できませんが、「自己発見取引」は可能です。
自己発見取引とは、自身で見つけた買主と不動産会社を通さずに契約する取引です。個人で買主を見つけるのは難しいため、自己発見取引のメインは友人や親戚になるでしょう。しかし、自己発見取引は不動産に詳しい方でなければ難しいため、一般の方にはあまりおすすめしません。
専任媒介のデメリットは下記の通りです。
- 不動産会社の見極めが難しい
- 囲い込みのリスク
専任媒介で依頼できるのは1社のみのため、どの不動産会社へ依頼するかの見極めが難しいでしょう。売却を依頼する不動産会社によって、売却が成功するかどうかは異なります。
一般的に媒介契約の期間は3ヶ月です。一度依頼した場合は、3ヶ月間は販売を任せることになるため慎重に検討しましょう。
さらに、悪質な不動産会社へ依頼してしまうと、囲い込みのリスクがあるため注意してください。囲い込みとは業界用語で、不動産の情報を他社に渡さないことを指します。
不動産会社は、売り物件を預かっている場合、自社で買主を見つけられれば仲介手数料を買主と売主の双方から受領できます。
単純に収益が2倍になるため、他社から問い合わせがあった際も「既に申し込みが入っている」と嘘をつき、情報を公開しません。もちろん囲い込みは業界で禁止されています。
しかしながら、なかには囲い込みを行う悪質な不動産会社もあるため、信頼できる不動産会社に依頼しましょう。
専属専任媒介
専属専任媒介とは1社の不動産会社のみに依頼する媒介契約で、自己発見取引は禁止となっています。
「専任媒介とどう違うの?」
このように感じる方も多いでしょう。
専任媒介との違いは、自己発見取引ができるかできないかのみです。専属専任媒介では、自己発見取引は禁止されています。その他については専任媒介と変わりありません。
売却価格の決定
マンションの売却を開始するには価格を決めなければなりません。売却価格次第で今後の売却活動を左右するため、慎重に検討しましょう。価格を決めるためには査定書などを踏まえて決めるのも重要ですが、スケジュールから決めるのもおすすめです。
- 販売期間を長く取れる場合は高めに設定
- 急いで売りたい場合は低めに設定
このように、自身の売却理由に合わせて設定しましょう。
注意点
売却価格を決定するのは不動産会社ではなく売主です。
査定価格=売却価格ではありません。不動産会社が査定時に算出する査定価格は、あくまでも売れそうな価格帯です。売却理由によって、売りたい価格は異なるでしょう。
もちろん明らかに相場とかけ離れた価格では売れませんが、自身がマンションを売却する目的を達成できる金額に設定しましょう。
売却活動
媒介契約を締結すると売却活動が始まります。売却活動は不動産会社が行うことですが、売却を成功させるために売主としてもやるべきことをやりましょう。
売却活動時に売主がやるべきことは3つです。
- 内覧日時の調整
- 内覧前の準備
- 条件交渉
それぞれ解説します。
内覧日時の調整
購入検討者から内覧希望が入った際には内覧日時を調整しましょう。
売主と買主のスケジュール調整は不動産会社が行いますが、売却期間中は極力内覧の予定を優先するのがおすすめです。内覧日時が合わずに、購入検討者が物件を内覧できないのでは機会損失にも繋がります。
自身の予定もあるかと思いますが、売却を成功させるためにも内覧は柔軟に対応しましょう。
内覧前の準備
内覧前にやるべき準備は3つです。
- 掃除
- 換気
- 全ての部屋のカーテンを開け、電気をつける
不動産は第一印象で決まると言っても過言ではありません。室内やベランダを掃除し、第一印象を良くしましょう。特に水まわりは買主が気にする部分です。内覧前に水滴を拭き取っておくだけでも印象は変わります。
また、内覧前には10分ほど換気しましょう。自分では気づきにくいですが、それぞれの家には、においがあります。においも第一印象にかかわるため、必ず換気しましょう。
暗い部屋は印象がよくありません。室内を明るく見せるためにも全ての部屋のカーテンを開け、電気をつけておきましょう。少しの手間で第一印象は大きく変わります。
条件交渉
購入検討者がマンションを購入する際には「購入申込書」という書面によって申込みが入ります。
しかし、申込みのタイミングで価格交渉が入る場合もあります。価格交渉が入った場合は、売却のスケジュールや、他の購入検討者の状況など様々なことを考慮して判断しましょう。最終的に売る売らないを決定するのは売主です。
注意点
内覧時に買主から質問を受けた際には嘘をついてはいけません。
不動産取引では嘘がバレた際には「告知義務違反」となり、損害賠償を支払わなければならないリスクがあります。
- 売却理由
- マンション内での事件事故
- マンション内でのトラブル
このような項目は、本当のことを伝えるとマイナスの印象を与えてしまうこともあるでしょう。
しかしながら、「知っているにもかかわらず伝えない」は不動産取引ではNGです。直接伝えるのは気が引けるという場合は、不動産会社を通して伝えましょう。
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売買契約
契約条件がまとまり次第、売買契約に移行します。
売買契約時に押さえるポイントは下記の通りです。
- 準備物を揃える
- 当日の流れ
- 住宅ローンの一括返済手続き
それぞれ解説します。
準備物を揃える
売買契約に必要な準備物は下記の通りです。
- 本人確認書類(運転免許証等)
- 権利証(登記識別情報)
- 印鑑証明書
- 契約書貼付用の収入印紙
- 実印
媒介契約時に上記書類のコピーを不動産会社に渡している場合は、契約時の持参は不要なケースもあります。売主は契約書に実印を押す必要があるため、必ず持参しましょう。
当日の流れ
売買契約当日の流れは下記の通りです。
- 本人確認
- 重要事項説明書の読み合わせ
- 契約書の読み合わせ
- 署名捺印
- 手付金の授受
- 領収書の発行
契約日当日は買主に対する説明が多いですが、契約書などは売主にとっても重要な内容のため、しっかりと聞いておきましょう。各種書類の署名捺印が完了した後に、買主から手付金を受領します。領収書は不動産会社が準備していることが多いですが、不安な方は事前に確認しておきましょう。
住宅ローンの一括返済手続き
売却するマンションに住宅ローンが残っている場合は、売買契約後に一括返済の手続きを行います。住宅ローンが残っている不動産は売却できません。
「住宅ローンを一括返済するお金なんてない……」このような方も多いでしょう。
しかし心配はいりません。
引き渡し日に、買主から受領する残代金によって住宅ローンを一括返済するのが一般的です。
金融機関による一括返済の準備は、一括返済の申込みから2〜3週間ほど時間がかかるため、契約が完了したらすぐに行いましょう。
注意点
売買契約書は事前に確認しておくのがおすすめです。不動産の売買契約は独特な緊張感があるため、当日契約書を読んでも内容が頭に入ってこない方も多いでしょう。契約日前日までに、不動産会社から契約書のドラフトを送ってもらい確認しましょう。
残代金の決済・引き渡し
売買契約が完了してから1〜2ヶ月後に残代金の決済・引き渡しを行うのが一般的です。
残代金の決済・引き渡し時に押さえるポイントは下記の通りです。
- 準備物を揃える
- 当日の流れ
それぞれ解説します。
準備物を揃える
残代金の決済・引き渡しの準備物は下記の通りです。
- 本人確認書類
- 権利証(登記識別情報)
- 印鑑証明書
- 評価証明書
- 領収書
- 実印
- 通帳
- マンションの鍵
書類関係は全て原本を持参してください。通帳は残代金の入金を確認するために必要になります。
当日の流れ
残代金の決済・引き渡し当日の流れは下記の通りです。
- 司法書士による本人確認
- 融資の実行(買主)
- 残代金の受領
- 領収書の発行
- 鍵の引き渡し
- 司法書士による抵当権抹消及び所有権移転登記
当日は司法書士の指示通りに書類に署名捺印を行い、融資の実行を待ちます。残代金の受領が確認でき次第、領収書を発行し、鍵を引き渡します。住宅ローンの一括返済や所有権の移転は司法書士の先生が全て行うため、売主・買主は適宜解散しましょう。
注意点
残代金の決済・引き渡しは金融機関が営業している平日しかできません。融資の実行に時間がかかることや、登記申請する法務局の営業時間を考慮し、平日の午前中に行うのが一般的です。
平日の午前中に仕事を休まなくてはいけないため、スケジュールはしっかりと管理しましょう。
確定申告
マンションを売却した方は、確定申告をしなければなりません。
確定申告で押さえるポイントは3つです。
- 時期
- 必要書類
- 税金の計算
それぞれ解説します。
時期
確定申告の時期は、マンションを売却した翌年の2月16日〜3月15日です。期間を過ぎても確定申告は可能ですが、ペナルティを受ける危険性があるため、期間内に行いましょう。
必要書類
確定申告書を作成するために必要になる書類は下記の通りです。
- 売却時の契約書
- 売却時の各種領収書
- 購入時の契約書
- 購入時の各種領収書
これらの書類があると、確定申告書類をスムーズに作成できます。
なお、不動産売却時は控除などの制度を利用することで、節税できます。どのような制度を利用するかによって必要書類も異なるため、利用する制度に必要な書類を準備しましょう。
税金の計算
マンション売却時に購入時よりも高く売れ、利益が出た場合は税金がかかります。具体的な計算方法は下記の通りです。
課税譲渡所得金額=譲渡価額 -(取得費+譲渡費用)
言葉が難しいため、下記のように置き換えて考えてみましょう。
- 譲渡価額=売却価格
- 取得費=購入価格+購入時の諸費用
- 譲渡費用=売却時の諸費用
最終的に算出された「課税譲渡所得金額」に税率をかけますが、マンションの所有期間によって税率は異なります。
- 短期譲渡(所有期間5年以下)の場合:39.63%
- 長期譲渡(所有期間5年超え)の場合:20.315%
短期譲渡の場合、利益の約40%を税金として納めなければなりません。手残り金額を増やすためには時期を考えて売却しましょう。
なお、いくつかの要件を満たすことで、利益3,000万円までは非課税となる「居住用財産の3,000万円特別控除」という制度を利用できます。所有しているマンションが要件を満たすかどうかは、国税庁のホームページで確認してみましょう。
注意点
年をまたいで、契約・引き渡しをする方は注意しましょう。不動産は所有期間によって税率が大きく異なります。
年末に売買契約を行い、年明けに引き渡しを行う場合、どちらかの日付を選択して確定申告が可能です。年末時点では所有期間5年以下だったものの、年があけることで所有期間が5年超えとなる場合、年末の日付を選んでしまうと税金面で損をします。
確定申告に不安がある方は、税理士に相談しましょう。
マンション売却後の確定申告に関しては以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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マンション売却後におこなう確定申告の方法を解説!いつまで?や損しても必要?などの悩みも解消できます
マンションを始め不動産を売却して利益が出ると税金が発生します。税金の額は確定申告で算出するのですが、そもそも確定申告をする必要があるのかと疑問に思う人もいるでしょう。結論から言うと、売却益が出ても出なくても確定申告はしたほうがいいです。

まとめ
- マンション売却は、売却の準備から確定申告までのの6つのステップがある。
- それぞれのステップでやるべきことがあるため、事前に準備しておくことが非常に大切。
- 不動産は所有期間によって税率が大きく異なるため、年をまたいで契約や引き渡しを行う場合は注意が必要。
この記事ではマンション売却の、一連の流れを解説しました。マンション売却は人生において何度も経験することではありません。身近に相談できる人も多くはないでしょう。
しかしながら、各ステップ毎の要点を押さえておくことでスムーズな売却活動が可能です。マンション売却を検討している方は、ぜひこの記事を参考にしながら行動してみましょう。
