不動産データからみる江戸川区の特徴!売買価格から相場、住みやすさまで徹底解剖

  不動産データからみる江戸川区の特徴!売買価格から相場、住みやすさまで徹底解剖

新築、マンションの平均相場や住みやすさなど不動産に関する様々なデータをもとに江戸川区の特徴について深掘りしていきます。これから江戸川区に移住を考えている方、不動産投資を考えている方などのお役に立てば幸いです。

手塚 大輔
【執筆・監修】手塚 大輔

地方銀行に10年弱勤務した後、現在は飲食店を起業しており、プロのライターとしてもSEO記事、コピーライティングなどを行なっております。 銀行では、預金業務、カードローン、住宅ローン、企業の運転資金、設備資金、起業開業支援、保険販売、投資信託販売などの他、企業の決算書の審査など経験。

【保有資格】ファイナンシャルプランナー

江戸川区は公園面積が23区中1位で、葛西臨海水族園などの水辺のスポットも多い、公園と水辺の街です。

大きな建物が建設されているわけでもなく、閑静な住宅街となっています。

また、交通の便がよく不動産の価格もそれほど高くないので、江戸川区は居住地としては非常におすすめのエリアです。

この記事では江戸川区の特徴やおすすめエリア、また不動産市況や賃料の平均値などについて詳しく解説していきます。

江戸川区の特徴

江戸川区の特徴について、「これ」というものを挙げられる人はそれほど多くないのではないでしょうか?

確かに江戸川区には若者が集まるおしゃれな繁華街や立派な歴史遺産があるわけでもなければ、治安が悪いわけでもありません。

江戸川区には目立ったものはありませんが、とにかく自然と居住環境の調和がとれた「住みやすい街」というのが江戸川区の特徴です。

江戸川区の特徴として次のような点をあげることができます。

  • 公園面積は23区内1位
  • 荒川(中川)と新中川の2本の川で、縦に区内を分断する水の街
  • 小松菜の収穫量が都内1位
  • 町ぐるみで防犯対策をしている

公園が広く、河川と畑が残り、都心にもほど近いため、子育てを行う生活環境としては非常に整った地域だと言えるでしょう。

23区内の中では治安がよい方だとは言えませんが、防犯カメラの設置や警察と連携した防犯講習など地域ぐるみで防犯対策を行っています。

江戸川の人口・世帯平均年収のデータ

江戸川区の基本情報です。

人口 687,321
生産年齢人口率 66.6%
高齢化率 21.3%
区民平均年収 528万円
区民年収中央値 300万円未満

参考:町丁目別世帯と人口・年齢別人口報告〈2022年度〉
江戸川区の家計データ

東京都平均の高齢化率は22%程度であるのに対して、江戸川区の高齢化率は平均をやや下回る21.3%と、東京都の中では現役世代と高齢者のバランスの取れた街だと言えます。

また、区民の平均年収は528万円と、東京都内の平均年収である564万円を下回っていますが、全国平均の506万円よりも上回っており、東京都の中では若い会社員向けの地域だと言えるでしょう。

江戸川区は再開発も進んでおり、湾岸エリアである江戸川区には小岩などを中心にタワーマンションも建設されています。

比較的若い世代が多いことから、年収の平均は都内平均を下回っていると考えられます。

江戸川区の生活環境や利便性、安全性に関する情報

江戸川区は区内に荒川が流れ、東京湾と千葉県に接しています。

葛西臨海公園に代表されるような海辺のスポットも充実しています。

小松菜の収穫量が都内1位というほど農業も盛んな地域で、緑と水の街だと言えるでしょう。

代表的な駅は小岩、葛西、西葛西などがあり、どの駅も駅前に飲食店や商店も充実しているため、生活には困りません。

江戸川区は東京駅までもほど近い都心に近い立地でもあり、区内には以下の路線が乗り入れています。

  • JR総武線
  • JR京葉線
  • 京成電鉄
  • 東京メトロ東西線
  • 都営地下鉄新宿線

区内最大の駅である小岩駅から東京駅までは直通で20分強ですので、都心へのアクセスの良さも魅力です。

通勤・通学にも非常に利便性が高いスポットだと言えるでしょう。

江戸川区の不動産のデータ

江戸川区の戸建て住宅、マンション、賃貸住宅の家賃相場などのデータをご紹介していきます。

新築・中古の戸建平均価格

アットホームに掲載されている物件によると、江戸川区の中古戸建て住宅の平均価格は2LDKで4,980万円、3LDKで5,398万円程度です。

参考:江戸川区の一戸建て価格相場を調べる

建物面積では80㎡〜120㎡で4,590万円となっており、全国平均(126㎡)よりも少し狭い程度の物件が4,500万円程度で購入できます。

最も広い物件でも、中古住宅は6,000万円程度ですので、中古であれば江戸川区に一戸建てを購入することも夢ではありません。

なお、江戸川区の宅地の平均価格は47万1341円/㎡、155万8153円/坪となっており、東京23区内では足立区に次ぐ地価の安さとなっています。

参考:土地代データ

たとえば、50㎡の土地を購入する場合、土地代は2,500万円〜3,000万円程度です。

この土地に5,000万円の建物を建築しても、合計で7,000万円〜8,000万円程度です。

ちなみに、頭金1,000万円を用意して、7,000万円の住宅ローンを35年金利1.5%で組んだ場合、毎月の返済額は21万円程度になります。

夫婦ともに正社員であれば、なんとか返済できる程度の金額です。

地価が23区内では安い江戸川区では、新築一戸建てを所有することも決して夢ではありません。

新築・中古のマンション平均価格

LIFULL HOME’Sによると江戸川区の新築・中古マンションの平均価格は次の通りです。

平均価格 平均単価
新築 10,230万円 128.6万円
中古 4,127万円 データなし

参考:LIFULL HOME’Sが東京23区の新築マンション平均価格を区単位で調査 東京都江戸川区の中古マンション価格相場情報

湾岸エリアである江戸川区にはタワーマンションが新築されています。

そのため、新築マンションの平均価格は1億超えと、23区内でも10番目に位置する価格となっています。

また、㎡単価の上昇率は前年度比150%以上と、東京23区の中で最も大きくなっています。

これはこの1年で江戸川区に新築マンションが増えた象徴だといえるでしょう。

ただし、タワーマンション以外にも中古マンションは多数あるので、江戸川区の中古マンションの平均価格は4,127万円です。

これは23区内でも低い水準で、中古マンションであれば一般の会社員でも手が届きます。

江戸川区は湾岸エリアとして近年急激に注目が集まり、タワーマンションの建設が進んでいるエリアです。

そのため、中古マンションと新築マンションの価格差が大きい点が大きな特徴です。

家賃相場

LIFULL HOME’Sによると、江戸川区のマンションの家賃相場は次の通りです。

間取り 平均家賃
ワンルーム 6.36万円
1K 7.04万円
1DK 8.61万円
1LDK 11.9万円
2K 8.32万円
2DK 9.53万円
2LDK 15.88万円
3DK 11.65万円
3LDK 21.12万円

引用:LIFULL HOME’S|江戸川区の家賃相場情報

江戸川区の家賃相場は23区内の中では低めだと言えます。

23区内で最も家賃が安いと言われる足立区とそれほど家賃相場は変わりません。

結婚して2LDKのマンションを借りても15万円程度で、実際に賃貸情報には10万円台でタワーマンションの賃貸情報も多数掲載されています。

ただし3LDKの広さになると、家賃は20万円を超えるため、子供ができたら5,000万円〜7,000万円程度の住宅ローンを組んで、区内に一戸建てかマンション購入をしても月々の負担は変わりません。

不動産価格も家賃相場も23区内では安い江戸川区は、賃貸でも持ち家でも住みやすい地域です。

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江戸川区の不動産市場の動向や将来性に関する分析

江戸川区の将来の不動産価格について「ダイヤモンド不動産研究所」のコラムで麗澤大学AIビジネス研究センターの 仙石裕明客員准教授が次のように分析しています。

江戸川区の土地価格は過去10年間で+16.3%と大きく上昇しています。

ただし、10年前比+16.3%というのは周辺エリアがこの10年間で17.5%上昇していることと比較すると、現段階ではそれほど資産価値が高いとは言えません。

日本全体の傾向として、人口減少は資産価値のないエリアから資産価値の高いエリアへ人を吸い上げます。

そのため、現在価値の高いエリアは今後もますます価値が高まり、価値の低いエリアはさらに価値が下がっていくと予想されます。

この前提に基づいて、「ダイヤモンド不動産研究所」のコラムでは江戸川区の不動産価格をグッド、ノーマル、バッドの3つのシナリオに分けて以下のように予測しています。

  • グッドシナリオ:10年間で+24.5%
  • ノーマルシナリオ:7,580万円:10年間で+10.6%
  • バッドシナリオ:5,393万円:10年間で▲2.6%

予想通りにいけば10年間で10%以上も上昇しますし、悪くても2%というほぼ横ばいで推移します。

江戸川区は現在は他のエリアよりも資産価値は低いですが、今は湾岸エリアとして注目が集まり、数年後には小岩駅の再開発も完了します。

将来的には今よりも価値が高まると予想されているので、資産価値としても将来有望なエリアだといえるでしょう。

参考:東京都江戸川区の土地価格・相場は? 今後10年の価格推移も予想!【不動産価格データベース】

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江戸川区のおすすめエリア

江戸川区に居住する方におすすめエリアは次の通りです。

  • 船堀駅:駅周辺には商業施設や飲食店が充実し、周辺には静かな住宅街が広がる。
    東京メトロ東西線が通っているため都心へのアクセスは抜群
  • 瑞江駅:都営新宿線が通っているため新宿まで直通。
    駅周辺には飲食店や小売店などが充実しているので生活に便利。
    水元公園などの緑地が近くにあり居住環境としても良好
  • 小岩駅:区内の中心駅。
    JR総武線が通り、東京駅や秋葉原駅まで直通で20分〜30分圏内。
    バス路線も充実。
    商業施設や飲食店も区内で最も充実し、江戸川区立小岩図書館も近くになるので教育環境としても良好

参考:江戸川区は住みやすい?タイプ別にオススメのエリアや治安をご紹介

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江戸川区の住民の口コミなど

実際に江戸川区に住んでいる住民の方の口コミをから集めてみました。

  • 「必要最低限のものは揃う(40代男性)」
  • 「東西の公共交通に問題ないが、南北にはバスしかない。駅から離れてしまうと不便さを感じる(60代男性)」
  • 「必要最低限以上のものがまったくない(40代男性)」

引用:江戸川区:統計データ

江戸川区は都心へのアクセスは良好で生活環境は整っていますが、それ以上を区内でのぞむことは難しいというのが口コミから分かります。

生活環境として、必要なものが過不足なく揃っている地域だといえるでしょう。

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まとめ

江戸川区は荒川や東京湾に面した水と緑の街です。

区内には特に有名で人が集まるスポットや歴史的な施設があるわけではありません。

生活に必要な商業施設と静かな住宅街があり、都内にもほど近いので居住するのであれば問題なく生活できるでしょう。

江戸川区はそこまで人気のエリアというわけではないため不動産価格や賃料は非常に安く、23区内で最も安価な足立区と同じ程度です。

会社員の方も住みやすい価格帯となっているので、新築マンションや一戸建て住宅を希望するのであれば江戸川区はおすすめです。

現在は湾岸エリアという点で注目が集まり、タワーマンションも建築されています。

今後は資産価値が高まる可能性もあるため、今のうちから不動産を購入を検討するとよいでしょう。

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