不動産売買の売却期間とスムーズにトラブルなく満足のいく売買をするポイント

  不動産売買の売却期間とスムーズにトラブルなく満足のいく売買をするポイント

「いつまでに」「いくらで」売却したいか、しっかり目的を持って売却活動に取り組むことが大切。不動産売却の流れや業者との契約のコツ、売却が長引く原因を理解して、ストレスのなく円滑に売却をするポイントを抑えて、その後の資金計画をスムーズに進めていきましょう。

西出 早希
【執筆・監修】西出 早希

現在会社員として住宅営業をしており、その過程でお客様への土地提案、プラン提案など行っています。

【保有資格】宅地建物取引士

不動産の売却や売買については、必要なタイミングにならないとなかなか知ることがないテーマです。

こういった不動産売買が初めての方は、何から手をつけて良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。

初めまして、にしでさきと申します。

本職では住宅業界の営業をしており、不動産・建築業界に身を置いています。

お客様へ住まいに関する最適な提案ができるよう、仕事をしながら宅地建物取引士を取得しました。

そんな私が今回執筆するのは、不動産売却が必要になったみなさんが、不動産売却を満足のいく取引にするためにはどのようなことに気をつけたら良いか、ということについてです。

今回は、不動産の売却の流れと売却をスムーズに行うポイントについて、わかりやすく解説していきます。

まず大切なことは、「不動産を売却する期間」について知っておくことです。

早急に売却が必要な場合も、すぐに不動産を手放さない場合も、売却で失敗しないよう、売却する際のポイントを押さえておきましょう。

売却する時にみておかなければならない期間

不動産の売却を考えたとき、売却が完了するまでは通常3〜6ヶ月かかります。

もし、早急に現金が必要な場合は、売却までの期間を把握しておかなければなりません。

その後の資金計画をスムーズに行うためにも、しっかり理解しておきましょう。

必要日数は3〜6ヶ月

売却に必要な日数というのは、マンションかどうか、一戸建てや土地かどうかで変わってきます。

そして、手続きなどを含めて目安が3〜6ヶ月というだけで、買い手が見つからないともっと長引く場合もあります。

マンションの売買では、所有面積などがあらかじめ確定しているため、買い手が見つかれば売却は2ヶ月ほどで完了します。

しかし、一戸建てや土地などは隣地との境界が確定していなかったり、土地に建築できる状態にするために申請が必要だったりと、時間がかかることも。

いずれにしても、不動産売買には時間がかかるものだと思っておきましょう。

エリアや価格によって期間は変わる

不動産の売却では、「買い手がつきやすいエリア」「買いやすい価格帯」が存在します。

ショッピングモールや公園などの施設が近くにあるエリアでは、新しい分譲地や区画整理地がたくさん売りに出ます。

そういったエリアの近くであれば、比較的買い手がつきやすいと言えます。

また、流通価格に沿った金額にすることも大切。

高値で売りたいからといって高額で売り出してしまうと、いくらいい場所でも他の土地と比較されてしまい、なかなか売れない場合もあるのです。

依頼する不動産会社もポイント

不動産売却には、宣伝広告もとても大切です。

宣伝広告は依頼する不動産業者が行うので、積極的に広告を行ってくれるしっかりとした業者を選ぶことが大切です。

また、不動産業者へ来店して土地探しをする人もいるので、地元に強い大手の不動産会社に依頼しておくと物件を紹介される確率が上がります。

売却が完了するまではその不動産業者との付き合いが続くため、スムーズに連絡が取れる担当者だと安心です。

不動産売却の流れ

全体の流れとそれぞれの期間の目安を説明していきます。

査定依頼

複数の不動産業者に査定を依頼し、金額を比較します。

一括査定は、手間がかからず一気に依頼できるためおすすめです。

媒介契約

比較して依頼する会社を決めたら、不動産業者と媒介契約を締結します。

媒介契約の形態は①専属専任②専任③一般 の3種類があります。

専属専任媒介契約

依頼した1社以外とは契約できない

自分で買い手を探すのはNG

専属媒介契約

依頼した1社以外とは契約できない

自分で買い手を探すのはOK

一般媒介契約

依頼した1社以外とも契約可能

自分で買い手を探すのもOK

不動産業者と売主両方に大きなメリットがあるのは①専属専任ですが、一度契約すると他社に依頼することができなくなるため、業者選びを慎重に行う必要があります。

一般媒介で数社と契約をする場合、色んな不動産業者から問合せが来ることもあります。

不動産売却のやりとりを1社とスムーズに行いたい場合は、①がおすすめです。

売却活動

依頼を受けた不動産業者は、まず宣伝活動を行います。

提携するハウスメーカーに購入希望者がいないか土地情報を流したり、自らポータルサイトなどに掲載し、購入希望者を募ったりします。

購入希望者がすぐ見つかる場合もありますし、時間がかかってしまう場合もあります。

購入希望者との交渉

購入希望者の購入意思が確認でき次第、価格や条件交渉を不動産業者を通じて行います。

値下げ交渉や、残存建物の撤去等が交渉内容として多いです。

購入意思が確認できる購入申込書などを受領してから、契約までは約2週間ほどです。

その期間に条件交渉や書類の準備を行います。

農地転用の有無、その他申請の有無にもよりますが、申請手続きひようは買主と売主どちらが負担するのか、そういった条件交渉も行い、契約手続きを進めていきます。

売買契約、手付金の受領

売買契約後、売主は引渡し、買主は購入の準備に入ります。

購入者は手付金を支払い、先行して住宅ローン事前審査などを行います。

ローン特約があれば白紙撤回の可能性もありますが、あらかじめ事前審査が承認されていれば問題なく進むことが多いです。

売主は引渡しまでに、残存物の撤去や境界の確定など、引渡しの条件に沿って不動産を整備します。

引渡しまでの期間は売主の管理となるため、しっかり確認しておきましょう。

契約は売主と買主が同席、もしくは同じ売買契約書に順番に押印する必要があります。

契約から引渡しまでは約2ヶ月となりますが、買主が遠方にいる場合、郵送でのやりとりになることもあるため、余裕を持った期間にしておくことが大切です。

引き渡し、残金の受領

引渡しの際は、買主と売主が同席するのが望ましいです。

引渡しと所有権移転、残金の支払いは同日に行われるためです。

ローンでの支払いとなる場合、買主のローン利用銀行店で手続きすることが多いです。

残金の受領を確認し、あらかじめ依頼した司法書士に所有権移転登記をしてもらいます。

所有権移転が完了すれば、晴れて不動産売却は完了となります。

受領した金額から、仲介手数料やその他諸経費を差し引いた金額が、手元に残るお金というわけですね。

不動産の売却が長引く原因

不動産の売却が長引いてしまうのは、「エリア」や「価格」以外にもいろんな要素があります。

いくつかの事例を解説していきます。

土地が売れにくい形状、間口

まず考えられるのは、土地の形状です。

いくら街中で利便性がいいといっても、細長すぎたり建物や車の駐車が難しい場合は売れにくい傾向にあります。

旗竿地である場合

旗竿地といって路地のような細長い通路を通った先にある奥まった敷地などは、周辺が住宅に囲まれていると日当たりが悪い・・といった印象を受けます。

旗に竿をつけたような形状をしていることから、旗竿地と呼ばれています。

こういった旗竿地は、道路に面する間口が広い一般的な敷地よりも、坪単価は安くなりますが売れにくい場合が多いです。

また、旗竿地とまではいかなくても、三角形や形がいびつだと売れにくい傾向にあります。

間口が狭い場合

新築をする際、駐車スペースを家の前に取ることが多くあります。

駐車スペースの幅は約2.5m/1台あれば十分ですが、駐車スペースを横並びに3台確保しようとすると間口は約7.5m必要になります。

また、建物の形状としては3間~4.5間(5.46m~8.19m)のプランが多いです。

隣地境界からの離隔を考慮すると、最低でも6.7mの間口がないと建物のプランニングは厳しくなるということですね。

道路が狭くセットバックあり

都市部の住宅街に多いのが、道路が狭い場合です。

前面道路は消防車など緊急車両が通るために4m以上あることが必須で、4mない道路の場合はセットバックと呼ばれる措置が必要になります。

セットバックとは、道路の中心線から両側の敷地にかけて2mずつの範囲を建築不可とし、4m通路を確保するためのものです。

既存の住宅は原則そのままですが、新築の場合はセットバックが義務付けられています。

そのため、セットバックがあるということは周辺の道路が狭い場合が多く、大型車両が通りづらい敷地になるため、売れにくい傾向にあるということです。

周辺住民とのトラブル

次に考えられるのは、周辺住民とトラブルの可能性がある場合。

現地確認しても分からない場合が多いため、後々のクレームになりやすいです。

売却前に解消できるのであれば、しっかり解決しておくようにしましょう。

境界線が曖昧

隣地が所有者不明だったり、空き家だったりすると所有者を探すことが困難な場合があります。

境界がきちんと明示されていればまだいいのですが、境界があいまいでどこまでが自分の敷地かどうか判別しかねる場合、それを了承したうえで購入を検討してくれる方を探す必要があります。

売却の意思がある場合、境界線の明示はしっかりしておくようにしましょう。

早めの行動が大切です。

前面道路が私道や位置指定道路

さきほどの旗竿地の場合に似ていますが、通路が他人の敷地の場合です。

広い土地を分割して敷地を分譲する場合、公道に面していない土地【い】や【え】は建築できせん。

出典:スーモカウンター注文住宅

そこで、位置指定道路といって私道の設定をすることで接道義務を果たし、建築可能になるということです。

位置指定道路は一般的には、その位置指定道路に面する土地の所有者で共有しています。

しかし、位置指定道路はその道路に面している各敷地の所有者が自分の敷地と共に、分割した道路を所有しているということもあり得ます。

それの何が問題かというと、私道は公道のように許可なく通行したり、配管を整備する際に掘削したりという行為が困難ということです。

特に、古い位置指定道路で売買をする際は共有名義でないケースもあるため、注意が必要です。

現状の所有者間ではトラブルがなくとも、所有者が変わった後トラブルになることは十分にあり得るのです。

その対策としては、私道の通行・掘削に関する承諾を事前に取っておくのが有効です。

例えば、位置指定道路に面した土地に住宅を新築することになった場合、配管の整備などでその私道を掘削したり、工事車両を私道に停めたりする必要があります。

また、日常的に通行する際も、通行を承諾していないと金銭を要求されるという可能性があるためです。

承諾書が取得できない場合、そのリスクがある土地は売れにくい、購入希望者がいてもトラブルになりかねない、ということが重要なポイントです。

担当者が売買活動を積極的に行ってくれない

不動産業者によっては担当者が積極的に売買活動を行ってくれないというケースも。

前述したように、なかなか売れにくい土地もありますが、それでも土地の魅力を引き出し、ピッタリの購入者を見つけることが不動産業者の仕事です。

不動産業者を決定するタイミングは、査定の時です。

担当者がしっかり受け答えしてくれるか、信頼できるかを見極めた上で媒介契約を交わすことが大切なのです。

不動産の売却をスムーズに行うポイント

不動産売却は、時間もお金もかかるのでできるだけスムーズに行いたいのが本音ですよね。これまで、不動産売却の流れや長引く原因を解説しました。

それを踏まえ、不動産売却をスムーズに行うポイントを確認していきましょう。

売却の理由や希望条件の整理をする

そもそも、売却はタイミングです。

売りたいと思ったときに、買いたいといってくれる人がいれば売買は成立するのです。

売りたいと思った時に希望の条件で買ってもらうために、「いつまでに」「いくらで」売りたいかを改めて整理しておきましょう。

また、単純に土地を売るだけなら「いつまでに」とあまり急ぐことはないかもしれません。

しかし、土地を売って家を買うなどの買い替えを伴う売却の場合、「いつまでに」「いくらで」が重要になってくるのです。

目的に応じた売却を進める

「いつまでに」「いくらで」の希望は、売却の目的により異なってきます。ここでは、買い替えを伴う売却の進め方について解説します。

買い替えを伴う場合、住み替えの時期がすでに決まっていて変更できないケースや、時期はある程度余裕があるが予算に制限があるケースなどがあります。

それによっては「売却時期」「売却金額」どちらかを優先すべきか、といった選択を迫られる場合もあります。

売却と購入を並行する場合

できるだけ住み替えないで次の住まいに移りたい場合、いかに売却と購入を並行させるかが重要です。購入希望者と価格や引渡し時期について、あらかじめしっかり調整しておく必要があります。

売却・購入どちらかが決まった段階でもう片方の決定を急ぐことになりますが、焦って失敗しないためにしっかりシミュレーションしておきましょう。

売却を先行させる場合

売却を先行させる場合、「物件の売却価格」がどれだけ手元に残るかわかるため、資金計画を立てやすくなります。

ただし、売却が先だと引渡しを先延ばししてもらわない限り、仮住まいの期間が長くなってしまいます。

あらかじめ購入する物件探しをして、目星をつけておきましょう。

マンションや建売の場合、仮住まいの期間を取らないことも可能ですが、新築する場合は契約してから工事着工するため、完成までの仮住まいは覚悟しておきましょう。

購入を先行させる場合

購入を先行させる場合、住まいを選ぶ時間的余裕はある一方、資金面が問題になります。

売却代金を購入する新居の費用に充てたいと考えている場合、売却を先行するか、住宅ローンを繰上げを見越して多く借入れする必要があります。

収入面で借入れ金額に余裕のない方は注意が必要です。

成約価格とのすり合わせ・交渉

自分が住んでいた場所など、思い入れのある場所を売りに出す売主にとって、売り出し価格は悩みどころですよね。

高く売りたいからといって、相場以上の値段をつけていつまでも売れないといった場合もあれば、売買が成立してから「もっと高値で売れたかもしれない」と後悔することもあるかもしれません。

このように、売主が希望する価格と実際に買い手がつく価格というのは異なる場合が多いです。

これを、実際に売れる価格に近づけるため、すり合わせが必要なのです。

売り出し価格は、不動産業者が提示してくる査定金額を参考にしてみてください。

しかし、査定金額は流通価格より少し下回る場合も多いため、価格交渉を踏まえて少し高めに設定しておく、というのも有効手段です。

また、交渉は不動産業者を通じて行われます。

その辺りの希望をしっかり汲み取ってくれる担当者を探すことが、スムーズに売却を進めるためのポイントです。

合意してもキャンセルはあり得る

購入意思があり、契約をしたとしてもどちらかの都合により売買のキャンセルはあり得ます。

例えば、買主都合の主なケースは「住宅ローンが通らない場合」です。

この場合、ローン特約があると白紙撤回され、売買契約は無かったことになります。

白紙撤回を防ぐためには、買主が住宅ローンの事前審査に通っているかどうかを知っておくことが大切です。

また、買主から手付金を受領したあと、手付け解除の期限までに買主は手付けを放棄、売主は手付けの倍額を買主に支払うことで契約の解除をすることが可能です。

このように、契約後も契約解除はあり得ますし、引き渡しまでは売主の責任下で管理する必要があるため、最後までしっかり気を引き締めておきましょう。

まとめ

不動産を売却するとき、みておかなければならない期間としては、物件によりますが3〜6ヶ月ほどです。

物件がなかなか売れないケースもあるため、「いつまでに」「いくらで」売却したいか、しっかり目的を持って売却活動をしていきましょう。

不動産を売却しようと思った時、スムーズに売却するためのポイントとしては、

  • 売却の大体の所要期間を把握して、決して焦らないこと
  • 交渉は不動産業者を通して行われるので、良い担当者を見つける事
  • 売却の目的をしっかり定めておく。目的により優先させる事項を選ぶ

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