空き家の活用の秘訣!資産価値を高める賢い売却戦略とは?

  空き家の活用の秘訣!資産価値を高める賢い売却戦略とは?

近年空き家の数が年々増加していることが問題視されています。本記事では空き家の賢い売却戦略としていくつか対策方法をご紹介していきます。今後相続などで突然空き家を手にする可能性もありますので知識として身につけておきましょう。

シンタロウ
【執筆・監修】シンタロウ

不動産会社の宅建士2年目、賃貸、売買、空き家の管理、宿泊などさまざまな空き家の活用に取り組んでいる。 教員から転職して不動産会社に勤務しています。 宅建士以外にもFP3級を取得しており、今後は法律関係の資格を取得予定です。 最近できるようになったことは事故物件が感覚でわかるようになったこと。

【保有資格】宅建士

近年、日本全国で空き家の数が増加し、それに伴い空き家の管理や相続問題があちこちで話題となっています。

自分は関係ないと思っている人も、明日実家を相続することになるかもしれません。

そんな他人事ではない空き家問題ですが、実は空き家を正しく活用することで様々なメリットがあります。

中も外もボロボロの空き家はそのままにしていればコストがかかるばかりです。

長野県の空き家を専門に取り扱う不動産会社の宅建士が、空き家が積極的に活用され、 地域が活性化するために空き家を活用するためのツボとコツをお伝えします。

空き家活用で収益をあげる方法とは?

空き家を使って収益を上げる主な方法は以下の通りです。

  • 売買する
  • 賃貸物件にする
  • 宿泊施設にする

主な方法は3種類ですが、さらに細かく方法が分かれます。

それぞれの流れや、メリットデメリットについて説明していきます。

売買する

空き家を売買物件として、不動産会社に依頼して売却する方法です。

基本的な流れは以下の通りです。

  • 不動産会社に依頼する
  • 不動産会社が査定を行う
  • 金額決定
  • 不動産会社がウェブサイト等に広告掲載
  • 買い手が見つかる
  • 重要事項説明・契約
  • 決済と引渡し及び所有権移転申請

売買の方法は以下の3通りあります。

空き家を解体して更地にして売買

空き家を解体して、土地として売買する方法です。

不動産売買では、建物が建っていない土地が最も価値が高く、売れやすいとされています。

これは、購入する人が自由に建物を建てることができるからです。

空き家をリフォームして売買する

空き家をリフォームして売買する方法です。

長年放置された空き家は水回りや床、壁、天井の状態が悪くなっているケースが多いため、リフォームによりそれらの機能を回復してから売りに出すことで購入する際に安心して購入いただくことができます。

空き家をそのまま売買する

空き家を現状の状態のまま売買する方法です。

他の2つの方法と比べて最も初期費用が安い方法となっており、かかる経費も不動産会社に支払う媒介手数料のみとなります。

空き家をそのまま売買すると、購入した人が自由にリフォームしたり、解体して更地にした後新築するなど様々な活用をすることができます。

近年では、古民家をDIYするyoutubeチャンネルも多数あるため、古い建物が思わぬ値段で売れる可能性もあります。

賃貸物件にする

空き家をリフォームするか、解体してアパートを建築することによって賃貸物件として収益化をする方法があります。

空き家の立地や賃貸の需要によって最適な運用方法が変わることや、初期費用がかかることを考えると、賃貸物件を収益化するノウハウを持っている不動産会社に相談、もしくは委託する方法がおすすめです。

近年は、不動産会社に空き家を貸して、不動産会社が大家となって空き家を賃貸するサブリース方式という方法も行われています。

宿泊施設にする

空き家を宿泊施設にする方法もあります。

賃貸物件は、入居者がいれば一定の収入が得られるのに対し、宿泊施設として運用することで集客をすればしただけ収入を得ることができます。

近年では、コロナ禍により減少していた海外からの観光客が増加していくにつれて、宿泊施設の需要が高まってきているため、空き家の立地によっては多額の収益を上げることができます。

空き家を売却するときに絶対に注意すべき4つのこと

リフォームして売るなら間取りの変更と設備の入れ替えをしない

空き家をリフォームして売る際には間取りの変更やキッチン、トイレ、風呂などの設備の入れ替えを行うべきではありません。

間取りや設備は住宅を建築する際に多くの人がこだわる箇所となっています。

そのため、間取りと設備を所有者の好みで入れ替えることで、購入者のターゲットが狭まる危険性があります。

特に、住宅の間取りは本来、家族構成、人数、ライフスタイルを入念に考えながら計画されるものです。

間取りが変更できたとしても絶対に変更しないでください。

水道管の破裂や、設備の破損については機能を回復する工事にとどめるか、不動産会社に伝えて内見に来た人に伝えてもらうようにしましょう。

空き家が事故物件に該当していないか確認すること

これから売却する空き家が事故物件に該当していないかは不動産価値を決定する重要事項です。

事故物件とは、建物内または敷地内で人が事故死や自殺などの自然死ではない死に方をしたものをいいます。

古い物件であればあるほど、その建物で生活した人の数が多くなるため事故物件に該当する確率は高くなります。

国でもガイドライン等によりある程度の基準が定められていますが、重要なのは自身で最大限調べて得られた事実を売却を依頼する不動産会社に伝えることです。

地方の空き家が事故物件だった場合、所有者が知らなくても周辺の住民が物件で起きた自殺や事故を知っている可能性があります。

購入した人が地域の人から購入した物件が事故物件であることを知ることがないように、最大限調べて気になることがあれば不動産会社を通じて内見時に伝えてもらうようにしましょう。

参考:https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chintai/fr_room/zikobukken/

空き家を解体すると固定資産税が増額されること

空き家を解体すると、空き家が建てられていた土地の固定資産税が増額されます。

本来、建物が建てられている土地は住宅用の土地として、固定資産税が実際の価格の6分の1になっています。

しかし、建物が解体によってなくなるとその特例がなくなり、固定資産税が最大で6倍になります。

また、解体費用に関しても、建物にアスベストが使われていた場合や、重機が入っていけないような狭い道の先に建物が立っている場合は高額になる可能性があります。

解体費用を売買代金で取り返すことを前提として土地の金額を設定すると、土地の価格が相場より高額になるため、土地が売れるまでに時間がかかってしまいます。

土地が売れるまでも固定資産税は支払わなければならないので、建物がなくなって6倍になった固定資産税を払い続けなければならなくなります。

契約不適合責任について理解すること

空き家を売買する際には、契約不適合責任について理解すべきです。

不動産売買における契約不適合責任とは、購入した住宅が水道管の破損や雨漏りなど、住居として使う上で最低限必要な品質を備えていなかった場合に、不動産を売った人がその分を修繕したり、代金を減額したりして補償をしなければならない法律のことです。

購入した物件に住んでから雨漏りを発見したり、水道管の水漏れが発見された際に、購入者は売った人に修繕やその分の代金の減額を請求することができます。

そのため、築年数が古い物件や、空き家になってから長い時間が経つ物件は、不動産会社と相談の上、契約不適合責任を免責するようにしましょう。

そうすることで、後から修繕や代金の減額をしなくて良くなります。

不動産会社に相談の上、建物の状態を見ながら免責を検討しましょう。

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空き家を売却する際に活用したい補助金や制度

空き家の売買を促進し、空き家を積極的に活用していくために行政が空き家の解体や改修について補助金を交付している場合があります。

補助金の具体的な内容を事例とともに説明します。

空き家の解体費用に対する補助金

空き家を解体する際に、解体費用の一部を行政が補助する制度があります。

例えば長野県長野市では、空き家の中でも近隣に影響を与える危険性が極めて高い老朽危険空き家の認定を受けた空き家の解体費用を最大120万円まで補助する制度があります。

他の自治体でも解体費用に対して補助金を交付するケースが多く、空き家を解体することにより、更地として売りに出すことで、不動産の流通をしやすくすることが目的となっています。

参考:https://www.city.nagano.nagano.jp/n183500/contents/p003369.html

空き家の改修に対する補助金

空き家を改修する際に、改修費用の一部を補助する自治体があります。

例えば、茨城県常総市では、家等バンクに登録した物件を居住用として利用する場合、所有者又は利用登録者が改修する費用の一部を最大30万円補助する制度があります。

これにより、空き家の機能を回復させることで居住や活用をしやすくすることが狙いです。

参考:http://akiya-takumi.com/subsidy/598251/

空き家の取得に対する補助金

空き家を購入する際に、取得費用の一部を補助するケースもあります。

福島県西会津町では、中古住宅の購入費用の10パーセント最大50万円を補助する制度があり、これにより、空き家の購入を促進するだけでなく、空き家の購入に対する需要を高めることで、空き家の売買を促進することを目的としています。

参考:http://akiya-takumi.com/subsidy/913/

今後の空き家の活用はどうなっていくのか

今後増え続けていく空き家はどのような可能性があるのか、空き家を使った活用方法はどのように進化していくのかについてまとめました。

相続登記の義務化により空き家を生前に売却する需要が高まる

令和6年4月1日より、不動産の所有者が亡くなった際に名義を相続人に変更する相続登記が義務化されます。

相続の手続きには多額の費用が発生します。

また、相続が発生した際に、多額の税金を現金にて納めなければならなくなる危険性があるため、空き家の所有者が生前に空き家を売却するケースが多くなることが予想されます。

そのため、市場にはより多くの空き家が流通することになるため、より条件や状態のよい空き家が積極的に売買され、そうでないものは売れ残る可能性があります。

今のうちから、空き家の修繕や管理をすることで空き家の状態を良好に保つ必要があります。

空き家をビジネス化する企業が増える

今後増え続ける空き家をビジネスチャンスと捉えて、空き家を買い取ってリフォームして販売する買取再販事業や、空き家を安く借りて、改修して賃貸として貸し出す賃貸サブリース事業を行う企業が増えていく可能性が高いです。

活用の仕方によってどのようなメリットデメリットがあるかを明らかにした上でそういった企業と取引するべきです。

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まとめ

空き家の活用方法の中でも売買について詳しく説明しました。

売買自体はほとんどの業務を不動産会社がやってくれますが、売買するまでに空き家を良好な状態に保つのは所有者の責任となります。

相続して自分のものになったときに、それまで放置されていた空き家であれば不動産価値は低くなってしまい、最悪の場合は流通させるのが難しいような悪い状態となっているケースもあります。

空き家を所有している、もしくは家族の誰かが空き家を所有している場合は空き家の管理方法や今後の活用の予定について確認しておきましょう。

今後の空き家の活用に沿って、これから準備をしていくことで、売買の際に空き家を充分な価格で売買することができる可能性を高められます。

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